第2話


      2004年10月3日〜5日    8人集



囲碁の旅日記(第2話)

山中湖畔名人戦 ; 20041035

平成の棋連行「キノツレユキ」達は飽くことを知らない。
ここに第2回目の囲碁の旅を
する羽目になった。
第1回目の旅の話が漏れ、今回、新たに2人の古い新人が碁キチグループに加わり総勢8人となった。
改めてその碁キチを紹介しよう。

   通称、城さん

   “  山さん

   “  大さん

   “  藤さん (本因坊ちゃん)

   “  大ノさん(古い新人)

   “  榊さん (古い新人)

   “  安さん

   “  沖さん (筆者)

今回の決戦場は、大さんの友人のご紹介を頂き某社の山中寮を利用させて頂く栄を賜った。

併し、今回の旅日記を記すに当たり筆者を苦しめたのは旅の材料である。第1回目と全く趣
を異にし、旅の間ほとんど歩いていない為、景色、辺りの情景に関する資料がほとんどない
状態である。
つまり、こうなのだ!

その日は雨から始まった。
関東一円に秋雨前線が停滞し続けかなりの雨の洗礼を受け第2
集会所前を出発したのは9:00
10
分余り過ぎた頃だろうか。
初日、山さんが抜けられない用事が出来て翌朝からの参戦となるため戦車2台に各々分乗し
一路山中湖へ。
雨の中央道をひた走りに走り1時間と少し経った頃、休憩のため談合坂PAに立ち寄った。
意味深な名前のPAだと思った。

一服二服後、腰を上げ、湖畔近くで昼食を取るようPAを後にした。

湖畔近くのあるレストラン風食堂に入った頃にはお昼を少し回っていた様に記憶す
る。

雨はまだ引っ切り無しに降っていた。
思い思いにお昼を注文したが、筆者は4〜5cmの
わかさぎの天婦羅定食に熱燗を一本注文
した。雨の湖畔の食堂でわかさぎの天婦羅での一杯とは乙な物だとしみじみ思いつつ終わっ
た頃には、空腹の五臓六腑に染み渡りいい旅の気分になっていた。

 ものの10分も走った頃、本日午後からの延々と続く果てし無き戦いの戦場に到着した。

白亜の館近景

緑の木々に囲まれた白亜の館に着いたのは13:00を少し回っていた頃だ。
テニスコートあり、バーベキュウーセットありの可也大きな館(山中寮)だ。
 雨の音以外はシーンとしてその場で森林浴を楽しめる様なたたずまいであった事は
まだ
記憶に新しい。後で分った事だが、その日より我々以外の泊り客は居なかったのだ。

つまり、幸いにして碁キチだけの貸切状態であった。
この幸せをなんと云おうか!

大さんチェックインを13:00と錯覚していたのか、ベルを押せども管理人さんは現れず玄関
の前の座布団に寝ていた黒い胴体が丸々太った犬が尻尾をしきりに振って我々を歓迎してく
れた事に温もりと安堵感を感じたのは筆者だけだろうか。
尻尾を振るだけでワンと
も云わないが、最初の頃「クロ、クロ」と呼んでいたが、後で管理
人さんから「ベル」と云う名前ですと聞いた時には、納得した。
前述のベルを鳴らしても誰も出て来なかったが
ワンちゃんが直ぐに来たからだ。

雨の玄関で3040分も待った頃だろうか
携帯電話連絡で管理人さんご夫婦らしき人が
やって来て直ぐにドアを開けて頂き我々のため
に3部屋を開放してくれた。

荷物を解く間もなく、1Fの広い応接間に管理人さんの薦めもあり分厚い碁盤を4面用意
るや否や瞬く間にその碁盤に群がり石音高く始まったことは云うまでもない。

先に述べたように山さんは翌朝からの参戦故、初日は7人のため第1部と銘打って、7人
のトーナメント戦よりスタートした。

初めての趣向にして初戦より全員目の色を変えて対戦していたことは、その時の写真でも
明できる。
このトーナメントの面白さは、初戦で負けても敗者復活戦に回り、サバイバルによりその後
の戦績如何では優勝も夢ではないところに面白さがある。

夜中の12:00頃には第1部の優勝決定戦まで完了し、やはり全員初回から意気込んでいたせ
いか、疲れも出たようで第1日目は早めに就寝したようだ。

結果については別表の経過を参照されたい。四苦八苦の末、筆者が辛うじて金メダルを手に
入れたのは幸運としか言いようも無い。


     山中湖畔トーナメント第一部    10月3日

優勝
2位決定
3位決定



本因坊
不戦 坊ちゃん
      敗者復活戦                ト−ナメント本戦
記 :1)Dは本因坊ちゃん

   2)敗者復活一回戦は、ジャンケンで勝った者が、不戦勝で二回戦に上がる。
   3)Athens Olympicに因み1位(金メダル)、2位(銀メダル)、3位(銅メダル)と      する。   

筆者の因の島における不眠の翌日の惨憺たる戦績を考慮してか、初日の夜は大さんが筆者を
隔離してくれたことに、全員に感謝を申し上げたい。
2日目は山さんが見えるので勿論
夜は不眠を覚悟の上であった。

明けて翌朝、8時前には筆者を除いて全員起床しており、既に本戦「山中湖畔名人戦」の
リーグ戦に突入していた。
山さんも到着し碁盤4面が早朝よりフル活動しその日の夜
12:00
過ぎまで空くことは無かっ
た。

雨は引き続き降っておりその止まる事を知らず、あたかも、我々の碁戦が如きであった。
山さんは遅れて到着した分だけ、寸分も休む暇なく入れ替わり立ち代り戦士と戦っていた。
夕食の頃にはリーグ戦の決着が略ついたように思う。

ところで、ここの管理人さんの毎回の料理は大変に満足するものであり、時々フランス料理
かと思われるような見栄えのものも馳走になり,筆者は感動すら覚えた。

本戦のリーグ戦績も別紙で見て頂くことになるが、一人14局の激戦のあげく、並み居る
者を制して「山中湖畔名人」のタイトルを奪取したのは他ならぬ新人の大ノさんで
あったこ
とに全員が驚き、本人も驚きまた感服仕ったことは云うまでもない。

新名人は次回(第3回大会)までこの名誉ある「山中湖畔名人」を碁キチグループ内で名乗
ることが出来る。
新名人には、益々心身ともに己を磨かれその名に相応しい風格も
つけられるよう心底より期
待するものであります。

戦い終わって、この名人戦奪取のインタビューで新名人に感想をお聞きしたところ新名人曰
く「俺は勝ちに来たんだ!」の一言を聞き筆者は余りにも適切で勇気ある名言に驚き、感動
し、その後、感涙を止めることは出来なかったのだ。
その感涙はやがて大河となり、揚子江へと流れて行った。
戦士たるものこれ位の勢いを持って欲しいものだと思った。    

              寮ご夫妻の碁キチ観察

この名人戦奪取にあと一歩の僅差で破れ、準優勝に涙を呑んだ城さんのその後の第2部
トーナメント戦に一言触れておこう。

 つまり、こうなのだ。

普通なら嬉しい筈のこの戦士は、悔しさを胸に秘め、第2部に移るや否や、並み居る戦士を
次々に、当たるを幸いバッタ、バッタと切り刻んで行ったーー。「ババーン、バン、バン
 バン」まるで講談の世界だ。
その戦う姿は、獅子奮迅にして怒髪天を突くが如しであった。
遂に、本戦で決勝戦まで躍り出ていた。

筆者は本戦で城さんに打ち破れ、敗者復活戦で苦労に苦労を重ねて決勝戦まで出たものの
再度、この精神的若き戦士に完膚なきまでも打ちのめされ、敢え無く戦場の露と消えてし
まった。金メダルを手中に収めた城さんの満面の笑みは今も忘れはしない。

この調子では、益々、故郷に錦を飾るのはそう遠くない話である。

今回のリーグ戦、トーナメント戦を通じて、大飛躍と相当に自信を得られた御仁は、名人
取の大ノ
さんと第2部トーナメント優勝の城さんの、お2人であることは自他共に認められ
るところである。

別表の戦績を見てもらえば一目瞭然だが、筆者などは、城さん、大さん、榊さんの3戦士
に、江戸の仇を長崎でも返り討ちに会い往復ビンタを頂いた事に悔しくて泣こうにも笑えな
い。
特に榊さんとの2局目、筆者は勝利を略手中にしていた矢先に、2目を助け惜しんだ瞬間、
榊さんの電光石火の一石により、我方の腹中にあった黒石から我が要の白石8目が「うって
がえし」に会い
99%死んでいた腹中の黒石群が生き返り、「あっー」とのけ反った時には
既に終わっていた。
通常、あの一手は,
2段以上の技量でないと打てないものである事を付け加えておく。

        山中湖畔トーナメント第二部    10月4日

城 
優勝
2位決定
城 
3位決定


城 

城 
      敗者復活戦                   ト−ナメント本戦

因みに、前回ぶっちぎりの優勝者もと「本因坊ちゃん」こと藤さんは持ち点10点の大幅加増
により戦績はあまり芳しくはなかったが、しばらく苦労して頂きその間に他の戦士がどんど
ん好成績を上げ持ち点の加増を行い、相対的に妥当と思われる各自の持ち点になる事を期待
する。

正味、まる二日間、白亜の館から一歩も出ないでよくもまあ碁盤の前に座って手談を交わし
たことか、知らない人が見たら間違いなくこのグループを碁キチと呼ぶであろう。

3日目の朝、10:308人の碁キチは後ろ髪引かれる思いで館を後にした。
3日目も雨は相変わらず降り続いていた。
帰路に際し、今回まだ見ぬ雨の山中湖畔にしばし佇み感慨に耽ったものだ。

東京への途中、再度、談合坂PAに立ち寄り、昼食後、お土産を抱え雨の中央道を安全に
ひた走り帰ったものだった。

東久留米に帰っても、長崎だけでなく、「東京は今日も雨だ〜た


成績
 勝率順とし、同率の場合は持ち点の低い者、持ち点も同じ場合、年配の者が
 勝者となり、
 次回同様の大会まで名誉ある”山中湖畔名人”を名乗ることが出来る。


   山中湖畔大会リ−グ戦表      ’04.10/3〜10/5

クラス 氏 名 勝敗 勝率 順位
176 〇〇 〇〇 〇× 〇〇 〇〇 ×〇 〇× 11-3 0.79 準優
176 ×× ×〇 ×〇 ×〇 ×× 〇× 〇〇 6-8 0.43 4
219 ×× 〇× ×〇 ×〇 〇× ×× ×× 4-10 0.29
165 藤(本因坊ちゃん) ×〇 〇× 〇× ×× 〇× ×× 〇× 5-9 0.36 6
149 ×× 〇× ×〇 〇〇 〇〇 ×× 〇〇 8-6 0.57 3
194 ×× 〇〇 〇× ×〇 ×× ×× 〇× 5-9 0.36 B.B.
127 大ノ(湖畔名人) 〇× ×〇 〇〇 〇〇 〇〇 〇〇 〇〇 12-2 0.86 優勝
126 ×〇 ×× 〇〇 ×〇 ×× ×〇 ×× 5-9 0.36 5

ここに 大ノさんの優勝を称え、
「山中湖畔名人」を称することを允許する。

               



     碁キチの旅日記